大地の学校ロータス施設長の今井です。
最近巷では「好きなことを仕事しよう!」とか「ワクワクすることを仕事に!」みたいな風潮で賑わっています。
これを鵜呑みにして
「よし!絵を描くのが好きだから美大に行って芸術家になろう!」とか
「ゲームが好きだからプロゲーマーになる!」等
自分の好きなことでお金を稼ごうとすると残念ながら大半の方が失敗します。
さかなくんのように一部ですが好きを極めてお仕事に変えてしまう方もいますので例外はありますが、殆どの方が痛い目に合います。
分かりやすく例を挙げます。
先日ロータスに通う高校生の進路相談をしていました。その子は料理がとても好きで、大地の恵み食堂でも自らを“料理長”と名乗り色んなおかずを次々に作ってくれます。
彼は料理が大好きなので飲食店でバイトすることにしました。しかし仕事なので家庭やロータスのように好きな物を作ったり好きな味付けやアレンジすることは出来ません。同じ調理法を注文受けたらマニュアル通り作り、盛り付け、出す。基本的にその繰り返しです。
「好きな料理を作るのは好きだけど、指示されて作るのは全然面白くなかった」
彼が面談で言ってたことが冒頭に好きなことを仕事にすると辛くなる理由です。もちろん彼が自分で店を立ち上げ、気まぐれクッキングメニューで成功すれば話しは別ですがそれにはまだ経験もスキルも足りません。
お仕事を始めるきっかけとしては良いと思いますが、好きなことや物というのは“自分で選べる自由がある”という前提があるからなんです。デザイナーになろうとした子も「自分で好きなイラスト描くのは楽しいけど、こんな感じで描いてって言われて描くのは楽しくない」と言っていました。好きに選べる自由が無い時点で、それを続けること自体が苦痛になってしまうからです。だから趣味に留めといて、やっても小遣い稼ぎ程度に考えていた方が楽に長く続けられます。
それより、特技を活かした方が圧倒的に仕事になりやすい。ここでいう特技とは“本人の自覚無しに難なく出来てしまうスキル”のことです。
本人的にはえー?そんなの皆できると思ってた…というくらいなのに周りが絶賛しているというのが一番のミソです。
私事で恐縮ですが好きを仕事にしようと何箇所もバイトを転々とした結果、短期の携帯ショップのバイトに出会いました。ひと契約幾らという出来高制のバイトで、人が殆ど通らない田舎の契約ショップであり得ない台数を売ってしまい社員さんに「うちで正式に働かないか!?」と熱烈オファーされました。
その経験がきっかけで“何故か僕が売るものをお客さんがかなりの確率で買ってくれる”ということに気づきました。今まで意識したこともありませんでしたが、僕の特技は営業だったんです。
周りが絶賛するというのは間違いなくそこにニーズがあるからなんです。
社員や人から必要とされるスキルだから、お仕事になりやすい。なんか違うな、とかつまらないなと思ってしまう仕事には理由が必ずあります。ただ一時の感情に振り回され、仕事を転々とするより「自分の特技は何かな?」と意識を向けて探し回る方が断然自分に合った仕事に出会える確率が高くなります。
正直ロータスに通うようなタイプの子にサラリーマンは向いていないと思います。だからこそ自分の武器を理解して、ちゃんと勝負できる環境を探しながら己を磨くことが重要になってきます。
そのためにこれからも面談を通して、その子の個性や特技を親御さんと共有し一緒に社会で働けるビジョンを描いていきたいと思います。
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